ティアドロップス(ハイレゾ版)感想


ここに理想の花園ランドを作るの









最近バンドリに目覚めました。音ゲー苦手でガルパはHARDすらライフギリギリでクリアしてるレベルです。(できない曲も多い)
とりあえずポピパを聴こうとYouTubeの公式チャンネルのライブ映像を見ていたんですよ。そしたらものすごくかっこいい曲に心を撃ち抜かれました。ついハイレゾ音源も買っちゃいました。という訳で今回はPoppin'Partyのティアドロップスの感想記事です。




ティアドロップスはBanG Dream!というプロジェクトの中でも初期の楽曲ですね。ライブでも定番曲らしいです。
TVアニメでは再放送時のED曲でした。アニメ本編内の香澄のイメージとは違うカッコイイ声が聞けます。




全体の感想


低めの音や強めの音が多くて迫力たっぷり。歌い方もそれに合わせてる感じです。ただボーカル部分そのものはポピパらしさが残っていて、オケが大人しくなって可愛い系統の歌い方をしたら普通のアニソンになりそう。
YouTubeで見られるライブ映像(5th直前動画)は必聴です。





オーディオ沼的な感想


ポピパ曲の中でも有数のベースが目立つ曲です。りみりん推し大歓喜。低域の表現での差が大きいので再生環境を色々と試すのが楽しいです。



INAIR M360で聴くと、ギターとベースの音単体では物足りなさを感じました。低域の迫力も薄めです。
一方で、ドラムは他の音を邪魔せずに綺麗に聴こえます。音の分離がよく、ボーカルが聴きやすいのもよかったです。
歌い方が好きな曲なので、ボーカルを中心に聴くという点でとても良い組み合わせでした。



HD598ではガッツリ迫力がある音になりました。
ベースが強いです。ドラムはやや埋もれ気味。嫌な感じのしないドンシャリです。
それでもボーカルはよく通ります。
普段は優しくて聴きやすい音といった印象のヘッドホンですが、この曲ではむしろ全力で聴く用途になっています。



RP-HD10は個人的な最適解でした。
解像度の高いヘッドホンですが、特に低域は価格帯を数万円上げたレベルの実力だと思います。低域は強すぎないのにベースは常にしっかりと捉えられます。
ドラムなどの瞬間的に跳ね上がるような音も得意で、聴いていて気持ちいいです。
ボーカルも埋もれていません。全体的に高水準でまとまっていて是非試してほしい組み合わせです。





最後に


香澄の『この指止まれ!』『涙ゼンブあつめたら』の中毒性が非常に高いです。普段あんなに可愛いのに、高音も独特の音が抜けていかない感じなのに、ティアドロップスではちょっとキツめの声なんですよ!たまらないですよね。




実はバンドリ6thライブ2日目、ポピパ両国に参加するべくCDを積んでいます。ティアドロップスはライブでのトップバッター率が高いらしいので期待してます!

防人達の宴会

百合SS投稿はじめました。内容同じですがPixivのリンク貼っておきます

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10077678&uarea=word




楠芽吹は勇者である二次創作です。めぶあやを書こうとして失敗したのを強引に再構成しました。






加賀城雀は廊下を歩いていた。頭にみかんを乗せて。それを目撃してしまった芽吹は頭を抱える。
「……雀?いつもと種類が違う奇行をされると心配になるんだけど?」
「メブ!だって、これから一晩中お祭り騒ぎするんだよ!?テンション有頂天だよ!」
「しないわ。明日も鍛錬とまでは言わないけれど、夜はちゃんと寝るのよ」
芽吹の諫言もなんのその、雀はくるくると回り始める。
「なるほど、激しく動きながらもみかんを落とさないことで体幹を真っ直ぐに保つトレーニングね」
「メブもやってみる?」
どこからともなく取り出されるみかん。芽吹は素直に頭に乗せる。
「意外と落ち着くわね」
「うんうん、メブがみかんの良さを理解してくれて嬉しいよ」
みかんを頭に乗せた二人組がゴールドタワーの廊下を歩く。普通なら何事かと驚くべき光景だが、雀と芽吹は方向性こそ違えど防人変人ランキングのトップ争いを繰り広げているのだ。
「いつも通り変わってるにゃー」
「変わった鍛錬だね」
「魔除けのおまじないか何か?」
防人達は動揺することなく頭のみかんをつついて遊び始める。
「はい、どうぞー」
雀は直接頭の上に乗せてみかんを配布する。
「戴冠か!」
「夫婦漫才もいつも通りだにゃー」








「たった十数メートル廊下を歩いただけなのに時間がかかったわね」
「みかんを頭に乗せるとね、自然とゆっくり歩くから安全なんだよ」
「とにかく。この部屋に5人も入るんだから片付けないと」
組み立て済みプラモは既に収納してある。雀によるプラモ破損事件以降、しっかりと片付けるようになったのだ。箱のまま積んであるプラモは壁となっているので安全。
コンコン、と控え目なノック。
「入って、しずく」
しずくの手にはカップ麺と袋麺。
「約束通り。食料」
「あのー、しずく様?ひとつ激辛があるんだけど、まさか私の分じゃないよね?ね?」
「ヤサイニンニクアブラカラメマシマシ、北極、こってり、それらもまたラーメン」
「待ってお願いします助けてー!」
芽吹は微笑んで見守る。しずくが雀をからかって遊ぶようになるとは。






ドタバタ、バタン!そう形容するしかない、綺麗な衝突音が響いた。
「どうぞ、弥勒さん」
「なぜノックする前に入室の許可が出ますの?監視カメラでも?」
「消去法です。雀とシズクがここにいる以上、廊下で騒がしいのは弥勒さんだけですから」
「ああ、なるほど。……ってどういうことですの!?」
「弥勒さんが持って来たのどうせ鰹でしょ?」
「鰹出汁のラーメン食べたい」
「塩対応!」
天使が開いたままのドアからひょこっと顔を出した。
「あやや!待ってたよー!」
「国土。こっち」
「来てくれてありがとう、亜耶ちゃん」
「私との温度差!」







全員が集まったところで状況確認。今日の食料は各自の持ち込みだが……。
「私はうどん。他に食べたい物もなかったし」
「みかん!」
「ラーメン」
「もちろん高知が誇る鰹ですわ」
「芽吹先輩がうどんだと思ったので、クッキーを焼きました。安芸先生に教わったんですよ」
「「「「!?」」」」
「あのクールさでクッキー……確かに最近起こしてくれる時に甘い香りがしたような」
「毎日起こしてもらっている関係ということは、同衾でもしているとか?」
「やっぱり仲良しさんですね!安芸先生も雀先輩のことをよくお話ししてくれますよ」
「違いますー!毎朝涙目になりながら起きてますー!」
「興味深い話をしていますね」
音もなくドアを開けた安芸先生がそこにいた。
「ひぃぃ!出たぁー!」
「出た、というのはおかしいですね。私は部屋に入ったのです」
「そこ!?」
芽吹は目の前のカオス空間を平然と無視。うどんを調理するすべく黙々と準備を続けていた。
「芽吹先輩、お手伝いしますよ」
「大丈夫。厨房は予約済み。材料は全て予備がある。タイマーも複数用意したから時間管理も万全。完璧な計画ね。……いや、やっぱり念のためお願いしてもいい?」
ついに安芸先生としずくが結託して雀を壁際に追い詰めている様子を見た芽吹は、亜耶を守るため連れ出すことにした。









うどんの調理は予定通り進行している。勝手に持ち出した鰹も質が良い。
「実はちょっとだけ小分けにしてクッキーを持ってきたんです。つまみ食いができますよ」
亜耶の顔には『早く食べて!』と書いてある。自信作らしい。芽吹も落ち着いて感想など伝えられるのは今だけだと理解していた。
「じゃあ、遠慮なく」
芽吹はサクサクと食べ進める。一言も発することなく、あっという間に手持ちのクッキーを食べ尽くしてしまった。
「……ごめんね、亜耶ちゃん。おいしくて全部食べちゃった」
「芽吹先輩が幸せそうなので、私もとっても嬉しいです!」
芽吹としては気恥ずかしいところだが、そんなことよりも亜耶の愛くるしさが問題だ。抱きしめたい。しかし何も言わずにそんなことをしても心配されるだけ。珍しく宴会で浮かれ気味だったのか、これが彼女の普通なのか、斜め上の結論に到達してしまった。
「先に食べさせてもらったし、お礼をしないとね」
「お礼だなんてそんな」
優しく亜耶を抱き寄せて頭を撫でる。
「亜耶ちゃんはとってもいい子だから、いっぱいなでなでしないとね」
12センチの身長差。抱き合うのに都合が良い体格差だった。心拍数まで伝わる距離の中、長い間こうしていた。少なくとも芽吹の現実味を失った頭はそう感じた。
「あったかくて、ふわふわ、してて、ねむい、れふ」
腕の中の天使は立ったまま芽吹に体重を預けて寝てしまった。なぜだかとてもイケナイことをしているようで、急に跳ね上がった心臓が目覚まし時計になるのではないかと不安になったその時。
視界の隅。自分で持ってきたタイマーの時計に引きずられて芽吹の思考が帰って来た。5分も経っていない。
クッキーはそれなりの量があった。もしかしたら普段よりも遅くまで起きて作ってくれたのかもしれない。などと考えたところで気がついた。……これは、動けないのでは?
楠芽吹は防人である。それも最も優秀であると認められた隊長である。見事、亜耶を支えたまま料理をするという離れ業を完遂した。









今までは凝り性だから料理もこだわる、という程度だったが、今回の楠芽吹は違った。
これを食べたら彼女はどんな顔をするだろうか。
もう少し甘い方が彼女の好みだろうか。
お腹いっぱいになったらまた寝てしまうだろうか。
そんなことばかりが次々と思い浮かんでは消えていく。こんな時間がいつまでも続いてほしいような、一瞬で過ぎ去って早くうどんを食べてほしいような。
矛盾や迷いをこんなにも愛おしく思う日が来るなんて、昔の芽吹には想像もつかなかっただろう。









幸せいっぱいの笑顔を雀に激写され、亜耶が目覚めたことにより自由を得た芽吹がゴールドタワーを駆け回るまで、あと3分。現在の芽吹でも想像もつかないことであった。



秋葉原でイヤホン、ヘッドホン、DAPの試聴ができる店

秋葉原のイヤホン、ヘッドホン、DAPを試聴できるオススメの店、試聴の方法について。






前回試聴記事だったので初心者向けの紹介をします。




はじめに




試聴する意味

どんな音か確認する、ということは誰もが理解していると思います。それ以外にも装着感や実際に使う上で問題がないかどうかを調べることが大切です。私もエレコムのイヤホンでほぼ同じ形状のイヤホンを3種類試聴したところ、ひとつだけ右耳に合わずにまともに使えなかったことがあります。どうしても耳の形や大きさ、左右の差などには個人差があり、合わない製品は存在します。せっかく高いイヤホンを買うなら、後悔しないようにしましょう。




試聴する方法は?

店頭の試聴機を勝手に使います。この記事で紹介する店はどこも店員に声をかける必要のない安心システム。
スマホやDAPを持って行き、イヤホンと接続して聴いてみるだけです。
DAPを試聴したい場合はイヤホンを忘れずに。ほとんどのDAPはmicroSDカード対応なので、持ち込めば普段聴く音源で試聴できます。



注意点は3点

①音量を下げてから聴く(もしくは音楽を流してから耳につける)
理由は簡単で、いきなり大音量で再生されてしまい、耳を痛める可能性があるからです。スマホから同じ音量を入力しても、それをどれぐらいの音量で外に出すのか、出た音がどれぐらい聞き取りやすいのかによって、結果的に聞こえる音量には大きな差が出ます。
ちなみにスマホ側の音量が小さくても大きな音で聞こえるイヤホンはバッテリーの消費が少ないです。スマホ君も大きな音量を出すのにはバッテリー使ってるんです。
あくまでも簡易的な目安ですが、インピーダンスという値が低いほど電力消費が少ないです。

②通路を塞がない、鞄には気をつける。
これも理由は簡単。無駄なトラブルを起こしてもしょうがないし、周囲の音が聞こえていない状況では盗難も怖いです。

③音量を上げすぎない
地味にこれが大事です。そもそも音量が大きいと良い音に聞こえるんです。店内の放送で音楽が聞こえにくいからと調子に乗って音量を上げると、家に帰ってから微妙な音に感じたりします。かといって常に大音量では難聴まっしぐら。
対策は主に2種類。ひとつは遮音性が高いイヤホンを使うこと。カナル型、密閉型、なんて単語が目印。価格帯は上がりますが、シュア掛けという方式で装着するイヤホンは高確率で遮音性が高いです。
もうひとつはイコライザーを活用すること。こちらはスマホやDAPの機能で、音の高さ毎の音量調整のようなものです。ただ周りがうるさくて聞こえない場合ではなく、特定の聞き取りにくい音がある場合に有効です。その音がどの音域かわからなかったら低、中、高と特定の音域だけ音量を上げていって判断しましょう。






店舗紹介に入ります。と言っても有名どころ2箇所とオマケにもう1箇所だけです。なのでどれも初心者向けで入りやすい店。




e☆イヤホン秋葉原店


言わずと知れたイヤホン、ヘッドホン専門店。初心者から廃人までみんなが吸い寄せられていく。
最大の特徴は品揃え。専門店だけあって最新商品、定番モデル、中古品までしっかり揃ってます。片田舎の家電量販店では取り扱ってなかったり、ショーケースに入れられていて店員に声をかけないと試聴できないような10万円越えの高級機も1000円の製品と同じように並べられていて、自由に聴けます。最近ではBluetoothコーナーも充実したみたいです。
独特の商品配置なので最初は少し苦労するかもしれません。入り口からすぐ目の前にオススメ製品が並んでいる感じなので、初めての方はとりあえずそこで5000円以下ランキングとかをチェックすると相場がわかるかも。メーカーではなく価格帯や音の特性など、特定の分類で近い商品が同じ棚にある傾向。
店員に声をかける必要があまりないのが長所の店ですが、私レベルのコミュ障でなければ店員さんにどんなものが欲しいか伝えた方が話が早いです。予算、Bluetoothに興味はあるか、遮音性を求めるか、普段どんな音楽をよく聴くか、の4点だけ伝えれば条件に合う定番モデルを案内してくれると思います。
難点は店の場所がわかりにくいことです。秋葉原にはeイヤが3店舗あります。しかもカスタムIEM店と買い取り&修理店はほとんどの方は用がない。普通の店は雑居ビルの4階で入り口には一応表示があります。休日なら人の出入りが激しいので比較的わかりやすいです。




ヨドバシカメラ


こちらも品揃えは良いです。価格ではeイヤに負けがちな印象。店の場所はわかりやすいどころかほぼ秋葉原駅です。
メーカーが持ってる展示スペースと、ヨドバシで用意したメーカー毎の売場があるので、同じ物が店内の2箇所にあったりします。便利なようなわかりにくいような。
利便性は高いけれど、マイナーな商品になると置いてないことも多いです。中古品の取り扱いもなし。
eイヤと両方見て回るのにいい店です。




オマケに紹介

ONKYO BASE


オンキヨーパイオニアの直販店、あるいはショールーム的な存在です。
万世橋を渡った先のオシャレな建物にあります。入り口はわかりにくい(というか表示らしいものがない)ので、外から中を覗いて入ることになります。
GRANBEATのタブレット版みたいな発売前の商品も試聴できたり。カスタムIEM関連もやってるみたいです。
客が少ないのでメーカーの人と気軽に話せる感じ。オンキヨーかパイオニアの製品が気になるならここで情報を聞いてみるのが良さそうです。





まとめ


個人的にはとりあえずeイヤに行けばいいと思います。多少の入りにくさはありますが、初心者に優しい。

もちろん、これらの店以外にも試聴できる場所はあります。中古品を含めれば販売してる店なんて秋葉原のいたるところにあります。探してみるのも楽しいかもしれません。

SE-MONITOR5試聴感想

SE-MONITOR5視聴感想


先日、秋葉原でeイヤとヨドバシとビッカメとONKYO BASEを堪能しました。お目当てはシュア掛け用のイヤホンでしたが、イマイチ好みの物がなく、結局はPioneerの密閉型ヘッドホン『SE-MONITOR5』が欲しいなーと思ってあちこちで聴きまくりました。




というわけで忘れない内に感想を。
まずはハード面。サイズは大きく、重いです。密閉型で2.5mmバランス接続ケーブル付属ということでポータブル用途も想定されているようですが、あまり現実的ではなさそう。イヤーパッドはベロアタイプとレザータイプの2種類。eイヤでレザータイプ、ヨドバシでベロアタイプを試しました。個人的にはベロアタイプの方が落ち着きます。とはいえ側圧が苦手な私でもレザータイプで全然平気でした。どちらも大きめで完全に耳を覆ってくれます。接触する面積が広いからか、装着してしまえば重さも手に持った時ほどは気になりません。
こればかりは壊れる時までわからないことですが、見た目と触ってみた印象では頑丈そうでした。金属多めだからそう感じるのでしょう。
付属品は3.5mmステレオミニのケーブルが3.0mと1.6m。2.5mmバランス接続のケーブルが1.6m。キャリングポーチも付属するようです。やはりポータブル運用を意識した構成ですね。



音について。名前からしてモニターですが、本当にそんな音です。中高域寄りに聴こえます。手に取りやすい製品では、フラットな音域特性と公称されるINAIR M360に近いです。低域の量感は控えめ。シャカシャカした音に感じるかも。
解像度とか細かな音を聴かせてくれるという面では今までに聴いたヘッドホンの中で最も優秀でした。
電子音と相性が良いみたいで『Won(*3*)Chu KissMe!』を聴くと音のひとつひとつが綺麗で楽しいです。
ボーカルの表現力が素晴らしいです。特に女性ボーカル……と言いたいですが思い返すと男性ボーカルを1曲も試聴していませんでした。
『進化系Colors』はソロパートの連続からサビで一気に全員の声が重なる曲です。ソロでは声だけでなくブレスまで表現されてて臨場感満載です。サビでもちゃんとひとりひとりの声の表現と全体の声の質感を両立しています。
CDの圧縮音源でもとても良い音でしたが、やはりハイレゾ音源の方が他のヘッドホンとの実力差が出ていました。
アイマス曲のハイレゾ音源はリマスタリングを伴ったCDとは別の音源として作られています。ハイレゾ再生できるレベルの機材を用意して騒音に邪魔されない環境で楽しむ前提の音ということです。その点、密閉型のハイエンドヘッドホンは都合が良いです。店内放送で開放型ヘッドホンはまともに試聴できない状況下でもちゃんと聞けます。中高域が強く出ること、解像度と表現力が高くボーカルをメインに聴くのに向いていることもあって相性抜群といった印象。
開放型とは少し違う性質なものの、音場は広いです。音が抜けるというよりは響く方かと。
シンバルの音がザラついた音になるのは好き嫌い分かれそうなところ。
多少鳴らしにくかったですがDP-X1Aなら直挿しで余裕があります。低スペの格安スマホではパフォーマンスがどうこう以前に音量足りなくなる危険もありそうです。
本体の大きさの甲斐あって(?)タッチノイズは開放型並みに気になりませんでした。



欲しい!!!
でも10万は高い!!!
さすがに様子見ですかね。今のところは値下がり待ちか中古か、って感じです。これ買っちゃったら据え置きヘッドホンアンプだって欲しくなるし。MONITOR5が気に入ったけど高くて買えない人はINAIR M360あたりが手に届く範囲では近いと思います。モニターヘッドホン全然知らないからそっちの方が近い可能性ありますが。

あわよくば買いたい……買えそうにない。

進化系Colors感想

進化系Colors

刀使ノ巫女の後期OP曲です。歌詞について触れる際、ガッツリとネタバレします。ご注意ください。というかこの記事、本編の感想なのでは?





ネタバレがいきなり視界に入ってしまっても申し訳ないので、まずは純粋に音について。



バンド系です。そしてメインキャスト6人で歌うので、パート分けがあります。普通のバンドだとボーカルはせいぜい2人までなので、ちょっと新鮮ですね。


最初は音少なめで軽やかなドラム。左にはギター。個人的に左右どちらかに全振りした音は苦手ですが、この曲は比較的気にならないです。
薄めのオケで主人公ボイス堪能タイム。『だって夢中で』のところの息の感じとか可愛い通り越してエロいですよね。



ボーカル交代して姫和パート。最初の可奈美パートが落ち着いて小さめの声を出してる雰囲気(音量小さいという意味ではなく)だったのに対して、ちょっと声張ってきてます。透き通ってる系の声で綺麗。ひよりんボイスは目立つ!オケは右にも音が入ってバランスよくなりました。左ギターとは違って低めで厚めの音です。声とのギャップがあって、可愛い可愛い大西さんが歌ってても、かっこいい音としてまとまってます。



沙耶香→舞衣パートはギターが左右差なくなりました。やっぱりヘッドホン、イヤホン環境ではこの方が良いですね。
沙耶香の声はおとなしいですが、特徴的。音の強弱が激しいながらも最後の『けど』とかの伸ばし方が特に沙耶香っぽいです。
マイマイは「特徴的!」って感じの声ではなく、耳に優しい。同じ和氣さんの片桐早苗様とはかなり違う印象です。
全楽器がリズムを刻んでいて、音の強弱は再生環境で差が出ます。INAIR M360とか特にここのドラムが気持ちいい。



そしてエレンと薫。短いです。音的には均等にパート振ることもできないと思うので仕方のないことです。
エレンは主人公感ある声してますよね。エレンらしい元気な歌い方。
薫は不思議な声です。甘くてイケメン。ソロが短いのは本人的には嬉しそう。
ここも音そのものは好きですが右だけのギターが気になってしまうところです。低音強めかつ開放型のHD598で聴くとドラムの迫力が際立ちます。



そしてサビ前。全員で歌うパートへ。低域のドラムの強さを引き継ぎながらギターが暴れ始めます。盛り上げどころですからね。



サビはボーカルが中心です。ドラムもギターもサビらしい勢いを見せますが、一歩退いてくれてる。
最初の『重なる』だけは少し音が詰め込まれ気味ですが、それ以降は綺麗に伸びる歌声を楽しめます。ここは特に聴きやすくて何回でもリピートしたい。
するっと入る可奈美ソロ。さすが主人公。ここの一節でちょっと落ち着くというか、加速しすぎないようにブレーキといった様子。
サビは全体通して明るめな音でしたね。



1番→2番サビ前まで→間奏→ラスサビ
という構成の曲でした。2番はまた全員の声がすばらでしたし、間奏も勢いがあって好きですが、全部語り出すと長いので総括へ。
声の可愛らしさとオケのかっこよさを両方ガッツリ味わえる曲です。疾走感があり明るい雰囲気。
唯一の苦しかったのは音の左右振り。ギター片側だけは引っかかれてる感じになってしまいます。









刀使ノ巫女を最終話まで見てから歌詞を見ると幸せになれます。作詞作曲のやしきんさんに感謝の気持ちをツイッターで伝えようか30分悩むくらい最高です(怖気ついて送れませんでした)。



順番通りにいきます。歌詞見ながらか、聴きながら読まないとわかりにくいかと。
可奈美パートで始まります。普通に考えると、導かれていたのは可奈美で、導いていたのは美奈都です。普段から剣術バカなのに寝てる間まで稽古した可奈美は今になって周囲との差に気がつく、と。
しかしこの歌詞は意外と当てはまる場面が多いと思います。学長なんて良し悪しはともかく全員が生徒を導いていますし、現役の刀使同士でも誰かが誰かを導いているシーンはあります。そもそも刀使ノ巫女というアニメ自体が20年前の刀使から現代の刀使へ、あるいは母から娘へと様々なものが受け継がれていく話です。そう考えると最初のこの歌詞は作品全体に向けられたものでもあるのかもしれません。導かれて、歩き続けて日常へと帰るのが最終話ですし。
念のために言っておくと、このオタク特有の深読みが正しいという主張ではなく、好きな作品に対してこういうことを考えるの楽しいよねって主張です。間違っていていいんです。(むしろ間違っている自信がある)



次のひよりんパートへ。
意外なほど速く進んでいるのは姫和で、それでも可奈美に届かない。まあイチキシマヒメと融合しても雷を切られましたし。
こちらも当てはまる要素がたくさんです。味方になってから若干影が薄くなった親衛隊は、まさに全員が必死に走っているのに手が届かない人達(でした)。
20年前にも美奈都を追いかけていた江麻さんがいて、篝さんもそれっぽい気配を出してます。
メインメンバーでも舞衣ちゃんは特に可奈美の孤高っぷりに心を痛めてそうです。



運命が形を変えながらもつながっている……まさに刀使ノ巫女ですね。さっきから同じこと言っててジェットストリームアタック状態。
ここはそのままの意味でしょう。というか概念的な歌詞なので、最初から深読みした結果みたいな内容。
刃にこめる、は可奈美から沙耶香へ、沙耶香から歩へと、想いが受け継がれていったシーンを意識しての言い回しかと。私は沙耶香の変化がすごく嬉しくて、これが保護者の気持ちなのか?と気持ち悪いことを考えていました。



サビです。重なる日々とか、新しいわたしたちとか、みんなで一緒にいる感じが素敵です。最終話を見た今は、あの後みんなはどんな日々を描いていくのかなー、と妄想しては尊さに悶えるばかりです。
ひよりんには申し訳ないですが、『高鳴るその胸は  無ぇ』というネタは笑ってしまいました。ただ不思議なのが篝さんは結構あったのにネネ判定では姫和には将来性がないんですよね。ネネの執着心の強さからすると物足りないということか、比較対象が強すぎたのか。
自由を忘れた鳥籠から飛び出す……またしても沙耶香ちゃん案件!ここも深読みしておくと、紫様が20年の時を経て自分自身を取り戻せたことも、この歌詞に該当しそうです。大荒魂サイドからしても同じことかもしれません。タキリヒメは人間を信じ、イチキシマヒメは紫のために姫和と共闘し、タギツヒメは人との縁を得ました。みんな頭で考えるよりも強く、心にならって飛び出すことができたと思います。



2番の前半は素直にひよりんパート。優しいからこそ傷ついていた姫和ちゃん。御前試合前は可奈美をガン無視するくらい余裕がなかったことも懐かしい。
運命に翻弄された可奈美と姫和。この流れで『未来へのキャパシティくれたっていいじゃない』を可奈美が歌うとプロポーズに聞こえますね!結婚して。
何かが変わったり、変わらなかったり。変わるものばかりに目を向けがちですが、変わらなかった部分もあります。薫とエレンは全体的に変化が少ない組ですね。戦闘でも日常でも、不器用だったり生真面目だったりする他のメンバーを支えてくれていました。



目にしたもの、手にしたものすべてが理由。最終決戦から隠り世からの帰還まで、この一文に尽きます。タギツヒメとの渡り合いも親子の出会いも、仲間と未来へ向かうことも。すべては縁があったから。
聞こえたその声はしがらみの枷じゃない……これまた広い意味がありそう。ですが一番に思い浮かぶのはタギツヒメ、タキリヒメ、イチキシマヒメです。彼女達と刀使は戦ったり信じたり、色々ありました。姫和からすれば荒魂は自分を縛る運命でしたが、最後には自分を隠り世から仲間の元へ導いてくれる縁になりました。物語としても荒魂はただ倒すだけの敵ではありませんでしたね。



全体を通して考えると、タイトルが進化系Colorsなのはピッタリでした。歌詞にも色をイメージした部分が多いですね。
私もそうですが、この曲については最終話が特に印象深いという方が多いでしょう。可奈美は美奈都先輩にお母さんとして甘えることができて、姫和は後悔はしていないと笑う篝さんを見ることができて。テロップでも最後に桜色の中にドーンと登場して、進化系Colorsという曲が刀使ノ巫女の中でも重要な存在だとわかります。

言葉の端々も、文章としての意味も、刀使ノ巫女のOP曲として完成された、本当に素晴らしい曲でした!

INAIR M360感想



7月18日。ついに!ついに!この時が来ました!INAIR M360着弾!




はじめに

今回は長文化への対策として、段落を独立させて、ほぼ順不同で並べました。要するに太字で中央寄せの見出しだけを読んでいって、気になったらその下の文章も読めばいいと思います。順番は気にせずどうぞ。最後のまとめから読むのもいいかもしれません。






使用期間が多少出てきたので追記

最初は音の硬さというか、リスニング向きではない雰囲気を感じました。が、気がつけば消えていました。しばらく使っているうちに耳が慣れたのか、あるいはこれがエイジングというやつなのか。
装着については最初は難しいかもしれません。慣れれば普通のイヤホンとほぼ変わらない速度でいつもの位置に着けられます。
全体的にハッキリとした音ですが、低音の解像度が特に高いです。T.M.Revolutionの「resonance」「crosswise」等がわかりやすい。ベースとか聴き分ける能力は低音重視モデルよりも高いのでは。




INAIR M360という製品について

超ざっくりいきます。ドライバー(音を出す装置)をスポンジで覆って耳に入れる、インイヤースピーカーと呼ばれるものです。音を出す→イヤーピースを通して耳に伝わる、というイヤホンの形式とは違います。ドライバーから出た音が直接耳の内部を伝わって聞こえます。

ちなみにオンキヨーのDAP、『DP-X1A』に直挿しで聴いた感想です。









脚色の少ない、乾いた音

乾いた音が何なのか、自分でもうまく説明できません……。とにかく飾り気がないというか、音源そのまま感がありますね。ギターとかは迫力があるけど、ちょっと疲れる音になることも。





低音の量は控え目

ほかのレビューでも言われてますね。空気感というか、ぼやけた量感はないです。DAPが違えば増えそうな気もします。量が少ないだけで輪郭のハッキリした低音がちゃんと鳴っているので個人的には好みです。恐らくこの製品で最も賛否が分かれるところ。
あまりにも聴こえなかったら後述の装着方法の問題かと。






解像度の高いハッキリとした音

ここも大きな特徴です。広く響く音ではありますが、きっちり鳴るって感じです。
ここは音源の影響も大きいです。特にキックがピシッと押さえられるか、ブワッと響くかは音源次第。





分離、聴き分け能力の高さ

ボーカル曲に合う特性です。オケが多少うるさい曲でも、ボーカルがしっかりと通って自然に聴けます。特定の音に意識を向けた時に、その音だけを聞き取りやすいです。






音場の広さ、定位

これを目当てに買う方も多いでしょう。そして感想記事的にはここが最難関です。まず伝えられることは開放型ヘッドホンとは何かが違うってことです。何が違うんでしょうねぇ……(語彙力の限界)
真面目に説明すると、開放型は耳元から少し離れた位置から音が聴こえていることを感じられますが、INAIRはそうでもないです。脳内定位ってやつでしょうか。でも確かに遠くに音があって、距離があるのがわかるんですよ。なのに距離によって音が減衰せずにスッと入ってくる。スピーカーとも違うような(良いスピーカーはこういう聴こえ方をするのかもしれませんが)。 
定位はわかりやすいです。コンサートホールを意識した音源では楽器の位置がわかります。 
こう書くとどれだけ変な音なんだって思われそうですが、慣れれば普通です。私も初めての試聴では意味がわからない音だと感じました。製品版を手にして数日、かなり慣れてきて自然に聴けています。逆に言うとこの要素だけに過度な期待を寄せるべきではなさそう。 






装着方法

装着方法ってどういうことだ?と疑問に思うのは当然です。普通はイヤホンやヘッドホンなんて着けるだけです。せいぜいシュア掛けとかあるくらい。
ですがINAIRに関しては特殊な装着方法があり、ここを間違えると低音が消し飛びます。
説明書に書いてありますが、試聴時なども考えてここで伝えておきます。
簡単に言うと、ケーブルが繋がっている小さい本体部分を耳たぶの中に入れてしまうのがオススメということです。手順としては耳元にスポンジを押し付けてから、耳たぶを親指と人差し指で軽く引っ張りながら中指で本体を押して微調整するのが安定します。
音を出しながら良い感じに聴こえるところを探すのが大事。耳の形や大きさは個人差があるので、他人のやり方はあくまでも他人に合うというだけです。
私の場合は本体を耳たぶから出して少し下げて角度を上向きにしても同じような聴こえ方をします。こちらの方が手早いです。 






装着感について

小さくて軽い製品で、スポンジが柔らかいです。着けた直後は『着けてるな』感がありますが、少し使っていれば着けていることを忘れるレベルです。






ハード面、ケーブル等について

思っていたより良かった、という点ではここが一番です。
プラグ周りはL字型で折り曲げ耐性高そうなゴツさ。ケーブルは左右の分岐までは布巻き。分岐点も強そう。リモコンはしっかりした操作感。強めに押してカチッと反応してくれます。iPhone7では動きましたが、DP-X1Aでは動きませんでした。Android6が対応外なのかボリュームを回して操作するタイプのDAPだからかはわかりません。





まとめ

特殊な品であることは理解しているつもりでしたが、改めて考えるとぶっ飛んだ存在ですね。音場以外の音質面においても個性が強いです。
最初は装着感が良いから誰にでも薦められる、なんて考えていました。使ってみると、そこらの流行りの高コスパイヤホンとは違う方向性の音で、これはオーディオオタク向きかなー、と認識が変わりました。
初心者に1万円する製品を薦めるなら、それ単体で全ての用途をカバーできないと厳しいです。INAIRは遮音性が高くなく、低音の量は少なく、高音は装飾が少なめでキラキラ感や華やかさは控え目です。音源や状況によって使い分ける選択肢のひとつとしては最高クラスで、1万円という価格も安く感じます。しかしINAIRのみでは不都合な場面もあるでしょう。
ただひとつ思うのは、流行りの方向に寄せて無難な音を目指していたら、ここまで面白い製品にはならなかったのではないか、ということです。
音が良いのは当たり前になりつつある今のポータブルオーディオ界隈において、INAIRはとても面白い、使ってみて楽しい製品という点で固有の価値があると思います。






以下、細かい点や今後の展望についてです。更なる長文化、具体例のジャンルの偏り等、お覚悟を。





タッチノイズ

完全に密閉された構造ではないので、頭の中を覆いつくすようなガンガンとした音を食らうことはありません。外で歩くならともかく、室内で使う分にはケーブルクリップも使う必要はなさそう。
音楽を聴いていても似たような傾向があります。アイマス曲で言うと『サイキック!ぱーりーないと☆』とか『Take me☆Take you 』の最初の部分は、頭の中全体にガッと来るような強めの音です。INAIRで聴くと空気感がなく、音として聴くことができます。迫力には欠けますが、耳に優しい。 
空気感、という面では低音でも特徴的です。『名前のない怪物』のような、再生環境によっては低音の響きで空気感が作り出される曲でも、輪郭のハッキリとした音を保っています。   





音源との相性

ロック系では、阿部真央さんの『這い上がれ MY WAY』では、ビシッとしたボーカル、響きが抑えられたドラム、主張しすぎないものの存在感は強めのギターといった印象。ボーカルの通りの良さがメッセージ性の強めな歌詞と相性抜群。音数を増やしすぎない曲なので、それぞれの音の響きも全体の明るくかっこいい雰囲気も楽しめます。
『戦車道行進曲!パンツァーフォー!』の最初のドラムロールはCD版とハイレゾ版で情報量の差が出るところですが、手持ちの環境ではINAIRが最も大きい差でした。解像度の高さ、原音の影響を強く受ける傾向はハイレゾ向きとも言えるかも。 
しかしガルパンのサントラとの相性は微妙なところです(特に劇場版)。低音と空気感の少なさと、ホールのような空間をイメージした音源は一長一短の組み合わせ。定位はしっかりしているので、どの楽器がどこにいるのかは非常に掴みやすいです。このあたりからもフラットで音を伝えることに注力したINAIRと、心地良く聴こえる音を出そうとする他の製品の方向性の違いが感じられます。
ChouChoの『カワルミライ』は相性が良い曲です。引っかかる感じがない綺麗な歌声が他の音に邪魔されずに届きます。もちろんオケも明るく鳴っていて、独特の音場や音域特性をフル活用できます。 
個々の音源次第なのは前提として、大雑把にではありますが曲の相性の法則性が見えてきました。
まずバンド系の重なる音の数が少ない曲は有利です。これは個別の楽器の音と全体での雰囲気を両立しやすいからだと思われます。
女性ボーカル、オケも高めの音が多い曲も有利。これは純粋に音域特性に合っているから。ただしキラキラ感はあまりないので、寂しい音に聴こえる可能性も。
苦手なのは重低音寄りの曲とかかな?
アイマス曲も楽しめます。特にハイレゾ版は。『CHANGE!!!!』ではクラップ音と他の音でうまくバランスが取れて特別聴きやすくなってます。『Do-Dai』は声と他の音の両立性能が活きているだけでは終わらず、複数人ボーカルのひとりひとりの声の魅力をしっかり出してくれます。『Romantic Now』の瞬間的な音の盛り上がりのリズムの中でもみりあちゃんボイスを堪能できます。『Star!!』はアイマス曲でも屈指のダイナミクス活用曲ですが、音のピークでも痛みや苦しさがまったくないです。INAIRは音量大きめ推奨のアイマスハイレゾには良き相棒でしょう。
相性の良い曲を探せるのはオーディオ沼の住民的には利点ですよね。一般的には面倒なのかもですが。





楽しみ方

高額なヘッドホンに手を出した時、この曲はこんな音があったのかと気がつくことがありました。INAIRでは、この音はこう聴こえることもあるのかと驚くことがあります。特にユーロビート系統の曲でそれが強いです。不思議なことに特定の方向性に向かうわけではありません。広く、長く響くこともあれば、スッと音が抜けることもあります。そんな音を見つける楽しみもある、という話です。






DAP、音の上流について 

DP-X1Aに直挿しで聴いています。以前使っていたソニーのウォークマンAシリーズの方が低音重視だったので、そっちの方がリスニング向きになるかもですね。
ポタフェスで試聴した時は鳴らしにくいと感じましたが、静かな環境ではそうでもないです。ローゲインでも普通に鳴らせます。
イコライザーでの調整は微妙でした。というか輪郭がハッキリする傾向が強すぎて、これで低音が強いと音楽としてのバランスが悪く聴こえてしまいます。
アップサンプリングは良いです。音が丸くなります。原音や聞き取りやすさから聴き心地の良さに寄る感じ。






音楽再生以外の使用

ゲーム、映画などにも向いているのでは……と思いましたが、ここは音楽以上にシビアなところでした。 
World of Tanks Blitzという、名前の通り戦車で戦うスマホゲームで試してみると、あまり今までと変わりませんでした。理由は明白です。戦闘中に音なんて聴いてない!この手のゲームは考えることが多くて、音なんて必要だと思った時に一瞬意識に入れるくらいです。加えて言うなら、原音に忠実な印象のINAIRでは、ゲームの音そのものがあまり良くなければ迫力も出ないという問題もあります。
通話しながら協力プレイをするのには向いています。密閉型と違って自然に声を出せますし、相手の声も聞き取りやすいです。
音ゲーをやってみると臨場感が増します。アイドルマスターミリオンライブシアターデイズ(通称ミリシタ)はライブ演出を楽しんでアイドルと触れ合うゲームで、難易度の高い譜面に挑ませてくる傾向ではないので相性が良いです。 
非常に良かったのがニンテンドースイッチのゼルダの伝説ブレスオブザワイルド。このゲームはオープンワールドならぬオープンエアーを名乗る程の没入感が売りですが、その方針とINAIRの音がバッチリ合います。鳥のさえずり、足音、戦闘時の金属を打ちつける音など、全ての音が自分の周囲に広がっているようで、ゼルダの世界に入り込めます。敵の位置や仕掛けが発動した時の効果音の定位も掴みやすく、純粋にプレイしやすくなるという面もありました。 
RPGアプリのFate/Grand Orderをプレイした時は特に何も感じませんでした。定位も分離もあまり影響しないことは予想通りです。
ゲームは本当に音源の質と相性の問題だと実感。
動画視聴でも音源次第だという印象は変わりませんでした。VRとの組み合わせは興味がありますが、ちょっと予算が厳しい。






遮音性について

低いです。元から高くするつもりはない設計ですから。現在進行形で普通の音量で聴きながらドア開けっ放しの隣室の会話内容を聞き取れています。酔っ払いなので声大きめですが。






装着感について 

『着けていて嫌な感じがしない』ではなく『着けている感じがしない』感覚は初めてです。 
自分でベストポジションを探せることで様々な人の耳に合うとも取れるし、人によって受け取れる音に差が出ているとも取れますね。
慣れれば簡単にいつものポジションに入れられますが、初日はちょっと戸惑います。
ちゃんと聴きたい場面ではなくて、でもスピーカーは使えない……という時に耳元に置くくらいの使い方ができるのは地味に便利。
今までとは全く違うことをするので、無理すると耳の変な所が痛くなったりします。
問題点としては、左右で差が出てしまいやすいということがあります。私の場合はどうしても右側がよく聞こえて、左側が薄くなる傾向があります。人間の耳も完全に左右対称ではないでしょう。eイヤのだいせんせいもブログのカスタムIEMの記事で左右の耳の大きさが違って苦労していると語っていました。INAIRのような耳に自然に合わせてくれる製品では、装着できるからこそ聞こえ方に差が出てしまいます。もちろん同じ聞こえ方をするように、左右で違う着け方をするというINAIRならではの対抗策は有効です。このあたりは長所と短所が同時に発生している感じですね。






後継機について

実は公式情報で既に次の製品について言及されています。製品仕様の欄にも有線、無線の他にトゥルーワイヤレスと思わしき存在があります。
今のところは更なる高音質とリケーブル対応、リモコンなしのケーブル、といった要素が意見として目立つようです。
個人的には、有線と無線だけでなく音の傾向やケーブルの仕様などで複数のモデルを発売してほしいところです。ポタフェスで様々な製品を試聴してみて、1万円を切る価格帯でもすごく音が良かったんですよ。もう音が良いのはスタート地点で、そこから他の理由で買うものが決まっていくのではないかと思います。INAIRはせっかく強烈な個性を持っているので、無理にひとつの製品にまとめようとして無難な仕上がりになってしまうのはもったいないです。値段という問題もエントリーモデルとハイエンドモデルに分かれていた方が有利でしょうし。
リケーブル対応については、断線対策にはなるものの結局は端子部分が破損しやすいことには変わりなく、このサイズの製品にはマイナスになりかねないという懸念があります。でもケーブルで音の変化を楽しむことは楽しそうですよね。いくらでも金がかかりそうなので手を出したくはないです。
装着感については、微調整できることがメリットであると同時にデメリットにもなっているのが現状。左右で音に差が出てしまうことや、安定して同じ音を聴くのにコツが必要なことが、今後どうなるでしょうか。
今回はいい買い物をさせてもらったので後継機が来たら問答無用で買うと思います。






まとめ

今までの怪文書を全部読んでここまでたどり着く方はいるのだろうか。
要するに個性が強くて私は好きだけど、人によっては気に入らない部分もあるだろうってことです。
他のイヤホン、ヘッドホンとは異なる体験ができるので、既に何本も持っている人にこそオススメですね。



ポタフェス2018秋葉原の感想③ その他、総括編

ポタフェス2018秋葉原の感想③


1週間も経ってしまったのでメモ書きをほとんどそのまま投稿します。楽しいイベントでした!


オウルテック

なんか投票やってた。
Aが多数派。俺もA。というかBがドンシャリ傾向で流行りの音ではない。
それぞれ何だったのかわからない。というか1階はステージの音やら気温やら人の多さやらで到底まともに試聴できる環境ではない。場所が悪かった。


スタンプラリー

達成でeイヤ割引券に。抽選はイヤホンケースだった。ワイヤレススピーカーとか貰っても使わないから当たりなのでは。


Astell&Kern

ヘッドホンアンプのACRO L1000を試せた。確かに出力高そう。接続も種類があって良さげ。意外と小さくて可愛い。ボリューム操作が面白い。


ACTIVO CT10

シロちゃんがアンバサダー。聴かなかったけど、動画が流れてて終始人がいる人気地帯だった。シロちゃん可愛い。


SATOLEX

Tubomiシリーズを色々と試聴。無難な音なら安くていいのが他にいっぱいあるので、個性のある音のが気になった。
真鍮製は華やかな高音。シャリつくと見る人もいるかも。解像度重視ではない。
銀製はシャリシャリしてた。でも嫌な感じではない。こちらは音の輪郭がハッキリしてる。
コスパ考えるとDonguriの方がオススメ。


Pioneer

シュア掛け機を一通り試した。音的に良いのはわかるけど、個人的にはシュア掛け苦手。
音的には普通。


エレコム

重低音モデルは音も装着感も好きじゃなかった。特に中位モデルはなぜか耳に合わなくて着けられなかった。
普通のハイレゾ対応のやつ(恐らく『EHP-CH2010』)は普通だった。同価格帯でもっと良いのありそう。5千円〜1万円のハイレゾマーク付きはあまりにも激戦区だからしょうがない。
抽選でハンドスピナーを貰った。
仕事柄、ベアリングを毎日見ているのであまり嬉しくない。中国製でも回るんだなーという偏見丸出しの感想。



イベント全体のメモ

会場はわかりやすい。大体こっちかな?で歩いてて目に入る。
1階が目立つから有利……かと思いきや人の動きとかステージが近いとかで試聴には不利。地下1階と2階は特に差はなさそう。
ステージは想像よりも小さかった。なんとなく近寄りにくくて見なかったので詳細不明。
各企業でブースには差があった。常に人が並んでいるところから、なんとなく怖くて座れないところまで。基本的には知名度が高い程に敷居が低い。大手だからイベント慣れしているのか、新規層取り込み狙いだからなのか。いずれにせよ初心者的には見たことある名前に引き寄せられておくのが無難。


まとめ

物販、ステージ、各企業ブースでの試聴と、人それぞれの楽しみ方があるイベントだった。今回は試聴メインだったけど、次回は違うこともしてみたい。ツイッターとか見ると、オフ会と化してるケースもあるみたい。コミュ障には関係のない楽しみ方だけど憧れる。
少数派ながら女性もいて、年齢層も幅広かった。誰がいても浮くってことはなくて、居心地は良いイベント。
秋葉原にはeイヤもヨドバシもあって、いくらでも試聴できるけれどイベントはまた違った感覚。次はそれなりの予算を組んで挑む!