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進化系Colors感想

進化系Colors

刀使ノ巫女の後期OP曲です。歌詞について触れる際、ガッツリとネタバレします。ご注意ください。というかこの記事、本編の感想なのでは?





ネタバレがいきなり視界に入ってしまっても申し訳ないので、まずは純粋に音について。



バンド系です。そしてメインキャスト6人で歌うので、パート分けがあります。普通のバンドだとボーカルはせいぜい2人までなので、ちょっと新鮮ですね。


最初は音少なめで軽やかなドラム。左にはギター。個人的に左右どちらかに全振りした音は苦手ですが、この曲は比較的気にならないです。
薄めのオケで主人公ボイス堪能タイム。『だって夢中で』のところの息の感じとか可愛い通り越してエロいですよね。



ボーカル交代して姫和パート。最初の可奈美パートが落ち着いて小さめの声を出してる雰囲気(音量小さいという意味ではなく)だったのに対して、ちょっと声張ってきてます。透き通ってる系の声で綺麗。ひよりんボイスは目立つ!オケは右にも音が入ってバランスよくなりました。左ギターとは違って低めで厚めの音です。声とのギャップがあって、可愛い可愛い大西さんが歌ってても、かっこいい音としてまとまってます。



沙耶香→舞衣パートはギターが左右差なくなりました。やっぱりヘッドホン、イヤホン環境ではこの方が良いですね。
沙耶香の声はおとなしいですが、特徴的。音の強弱が激しいながらも最後の『けど』とかの伸ばし方が特に沙耶香っぽいです。
マイマイは「特徴的!」って感じの声ではなく、耳に優しい。同じ和氣さんの片桐早苗様とはかなり違う印象です。
全楽器がリズムを刻んでいて、音の強弱は再生環境で差が出ます。INAIR M360とか特にここのドラムが気持ちいい。



そしてエレンと薫。短いです。音的には均等にパート振ることもできないと思うので仕方のないことです。
エレンは主人公感ある声してますよね。エレンらしい元気な歌い方。
薫は不思議な声です。甘くてイケメン。ソロが短いのは本人的には嬉しそう。
ここも音そのものは好きですが右だけのギターが気になってしまうところです。低音強めかつ開放型のHD598で聴くとドラムの迫力が際立ちます。



そしてサビ前。全員で歌うパートへ。低域のドラムの強さを引き継ぎながらギターが暴れ始めます。盛り上げどころですからね。



サビはボーカルが中心です。ドラムもギターもサビらしい勢いを見せますが、一歩退いてくれてる。
最初の『重なる』だけは少し音が詰め込まれ気味ですが、それ以降は綺麗に伸びる歌声を楽しめます。ここは特に聴きやすくて何回でもリピートしたい。
するっと入る可奈美ソロ。さすが主人公。ここの一節でちょっと落ち着くというか、加速しすぎないようにブレーキといった様子。
サビは全体通して明るめな音でしたね。



1番→2番サビ前まで→間奏→ラスサビ
という構成の曲でした。2番はまた全員の声がすばらでしたし、間奏も勢いがあって好きですが、全部語り出すと長いので総括へ。
声の可愛らしさとオケのかっこよさを両方ガッツリ味わえる曲です。疾走感があり明るい雰囲気。
唯一の苦しかったのは音の左右振り。ギター片側だけは引っかかれてる感じになってしまいます。









刀使ノ巫女を最終話まで見てから歌詞を見ると幸せになれます。作詞作曲のやしきんさんに感謝の気持ちをツイッターで伝えようか30分悩むくらい最高です(怖気ついて送れませんでした)。



順番通りにいきます。歌詞見ながらか、聴きながら読まないとわかりにくいかと。
可奈美パートで始まります。普通に考えると、導かれていたのは可奈美で、導いていたのは美奈都です。普段から剣術バカなのに寝てる間まで稽古した可奈美は今になって周囲との差に気がつく、と。
しかしこの歌詞は意外と当てはまる場面が多いと思います。学長なんて良し悪しはともかく全員が生徒を導いていますし、現役の刀使同士でも誰かが誰かを導いているシーンはあります。そもそも刀使ノ巫女というアニメ自体が20年前の刀使から現代の刀使へ、あるいは母から娘へと様々なものが受け継がれていく話です。そう考えると最初のこの歌詞は作品全体に向けられたものでもあるのかもしれません。導かれて、歩き続けて日常へと帰るのが最終話ですし。
念のために言っておくと、このオタク特有の深読みが正しいという主張ではなく、好きな作品に対してこういうことを考えるの楽しいよねって主張です。間違っていていいんです。(むしろ間違っている自信がある)



次のひよりんパートへ。
意外なほど速く進んでいるのは姫和で、それでも可奈美に届かない。まあイチキシマヒメと融合しても雷を切られましたし。
こちらも当てはまる要素がたくさんです。味方になってから若干影が薄くなった親衛隊は、まさに全員が必死に走っているのに手が届かない人達(でした)。
20年前にも美奈都を追いかけていた江麻さんがいて、篝さんもそれっぽい気配を出してます。
メインメンバーでも舞衣ちゃんは特に可奈美の孤高っぷりに心を痛めてそうです。



運命が形を変えながらもつながっている……まさに刀使ノ巫女ですね。さっきから同じこと言っててジェットストリームアタック状態。
ここはそのままの意味でしょう。というか概念的な歌詞なので、最初から深読みした結果みたいな内容。
刃にこめる、は可奈美から沙耶香へ、沙耶香から歩へと、想いが受け継がれていったシーンを意識しての言い回しかと。私は沙耶香の変化がすごく嬉しくて、これが保護者の気持ちなのか?と気持ち悪いことを考えていました。



サビです。重なる日々とか、新しいわたしたちとか、みんなで一緒にいる感じが素敵です。最終話を見た今は、あの後みんなはどんな日々を描いていくのかなー、と妄想しては尊さに悶えるばかりです。
ひよりんには申し訳ないですが、『高鳴るその胸は  無ぇ』というネタは笑ってしまいました。ただ不思議なのが篝さんは結構あったのにネネ判定では姫和には将来性がないんですよね。ネネの執着心の強さからすると物足りないということか、比較対象が強すぎたのか。
自由を忘れた鳥籠から飛び出す……またしても沙耶香ちゃん案件!ここも深読みしておくと、紫様が20年の時を経て自分自身を取り戻せたことも、この歌詞に該当しそうです。大荒魂サイドからしても同じことかもしれません。タキリヒメは人間を信じ、イチキシマヒメは紫のために姫和と共闘し、タギツヒメは人との縁を得ました。みんな頭で考えるよりも強く、心にならって飛び出すことができたと思います。



2番の前半は素直にひよりんパート。優しいからこそ傷ついていた姫和ちゃん。御前試合前は可奈美をガン無視するくらい余裕がなかったことも懐かしい。
運命に翻弄された可奈美と姫和。この流れで『未来へのキャパシティくれたっていいじゃない』を可奈美が歌うとプロポーズに聞こえますね!結婚して。
何かが変わったり、変わらなかったり。変わるものばかりに目を向けがちですが、変わらなかった部分もあります。薫とエレンは全体的に変化が少ない組ですね。戦闘でも日常でも、不器用だったり生真面目だったりする他のメンバーを支えてくれていました。



目にしたもの、手にしたものすべてが理由。最終決戦から隠り世からの帰還まで、この一文に尽きます。タギツヒメとの渡り合いも親子の出会いも、仲間と未来へ向かうことも。すべては縁があったから。
聞こえたその声はしがらみの枷じゃない……これまた広い意味がありそう。ですが一番に思い浮かぶのはタギツヒメ、タキリヒメ、イチキシマヒメです。彼女達と刀使は戦ったり信じたり、色々ありました。姫和からすれば荒魂は自分を縛る運命でしたが、最後には自分を隠り世から仲間の元へ導いてくれる縁になりました。物語としても荒魂はただ倒すだけの敵ではありませんでしたね。



全体を通して考えると、タイトルが進化系Colorsなのはピッタリでした。歌詞にも色をイメージした部分が多いですね。
私もそうですが、この曲については最終話が特に印象深いという方が多いでしょう。可奈美は美奈都先輩にお母さんとして甘えることができて、姫和は後悔はしていないと笑う篝さんを見ることができて。テロップでも最後に桜色の中にドーンと登場して、進化系Colorsという曲が刀使ノ巫女の中でも重要な存在だとわかります。

言葉の端々も、文章としての意味も、刀使ノ巫女のOP曲として完成された、本当に素晴らしい曲でした!

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